カナダのアートスクールに入学を志願した少年は、イスラエル出身者であることを理由に入学を拒否された。それに対する大規模な抗議が沸き起こり、スクール側は、あわててスクールルールを見直したという。
入学拒否の真相
アートスクールがある街は、カナダの西海岸にある風光明媚なガブリオラ島と言う美しい島。アートスクールは木造建築とデザインに特化したスクールである。
イスラエル出身の少年が入学願書を提出すると、国籍を理由に入学を拒否されたという。この事実を報道したエルサレムポストによると、少年はこの1月よりスクール関係者とメールでのやり取りを続けてきた。1月25日に少年が受け取ったメールの内容は、スクールは、イスラエル出身者の受け入れをしないということであった。受け入れをしない理由は、地域紛争が起きている国の出身者であり国内が合法的な状況ではないからだと説明したという。
少年は、スクールとは世界中からの生徒を受け入れるべきところであるところ。そのような対応をするとは残念なことだとスクール側に告げた。すると、スクールの担当者は、過去には多くのイスラエル出身者が通っていただけに残念なことだと答えたという。さらに、スクール担当の説明はこう続いた。この決定は、あくまでもモラルを優先にした考えであるため、モラルを逸脱した考えを支持することができない。イスラエル出身者を受け入れないのは、人種差別的な考えではないと。
抗議が沸き起こる
この入学拒否が大きな騒ぎを巻き起こすこととなった。カナダ国内のユダヤ教のグループや個人、イスラエルやユダヤの関係筋などから差別的なルールだとして大きな抗議を受けたのであった。
すると、この大きな騒ぎにあわてたスクール側は、即座に考えを改めスクールルールを見直すと発表した。そして、イスラエル出身者を受け入れるとし、謝罪を行ったのだ。
この素早いスクールの対応は、イスラエルに対する偏見が誤りであることを示すものである。少年は、多くの支持者の助けにより結果的にスクールに入学できる権利を得たものの、再度入学願書を提出するつもりはないと語った。
考 察
カナダは、移民の受け入れに寛容な国というイメージがあるゆえにこの記事の内容は驚きである。日本では、私立か公立かにより入学に必要な要件が違い、私立の試験や面接で入学する場合には、内申書の内容や面接なども加味される場合もあり、合否の理由は不鮮明な場合もある。特に幼稚園受験などは、合格基準は実に曖昧だ。曖昧なことは良い事だとは思わないが、理由を明らかにするシステムがベストなのかは疑問である。
Source: mipost