スペイン12,000校の保護者、宿題が多すぎるとストライキ!

スペインの公立小学校の保護者らが、学校が子どもに与える宿題が多すぎて、家族と過ごす時間もなく人格を形成する大事な時期にゆとりある生活ができないとし、学校に対しストライキを起こした。
きっと、ほとんどの大人たちは宿題の苦い思い出を持っているだろう。大人は、仕事が終わればプライベートの時間として、音楽を聞いたりして寛ぐかたわらで、自分たち子どもは、長期の休みの自由研究もさることながら、宿題が終わっていなければ夕食の後もゆっくりできず、週末も月曜日に提出する宿題を気にして過ごすなどという経験があるのではないだろうか。

このスペインの抗議は、まさしくそんなポイントをついたものである。子どもの持ち帰る子どもの宿題が多すぎるため、子どもたちはプレッシャーを感じながら過ごし、家族の時間も浸食されているという。

なんと1日6時間以上もの宿題時間

2012年のデータによると、OECD38カ国の宿題に費やす平均時間は、15歳の場合で4.5時間であるのに対し、スペインは6.5時間となっている。

スペインでは、3歳から6歳という子小学校入学前の子どもたちでさえ、1日平均1時間を宿題に費やしているというのである。

11歳の児童の10人に3人が、15歳では10人に6.5人が宿題を苦痛に感じているという調査結果である。

抗議行動を行っているのは、スペイン国内12,000校の保護者連合会の保護者らである。11月の1ヵ月間は宿題を出すのを控えるよう学校側に要求しており、子どもたちにも宿題をしないように呼びかけている。

学力と宿題の量は比例しない

なお、WHOの調査の6.5時間という数字は、38カ国中5番目に多い国となる。ちなみに1位から4位は、スイス、イタリア、アイルランド 、ポーランド となり、学力レベルには比例しないことがわかる。スペインのPISAのランクは、真ん中より下に位置することから、保護者の不満は、教師の力不足を宿題として子どもたちに負担を強いているのではないかという訴えも含まれている。2016年のPISA(国際学力テスト)のリーディング、数学、科学の分野でトップの成績を収めた香港の子どもたちの宿題の量は、一週間でたった13時間。スペインの3分の1未満である。

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教師側の不満もある

教師側からは、クラスの人数が多すぎるという不満や教材不足を訴えるものもいる。保護者の中には、子どもたちが学校で教師に嫌がらせを受けるのではないかと不安を募らせるものもいるという。

テストのための暗記ばかりの教育

スペインの教育は試験のためだけの暗記ばかりで、自ら創造し考える力を養成する教育ではないと言われている。

 

Image by pixabay
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放課後の理想的な過ごし方とは

スペインでは、子どもたちが宿題に追われ、家族で過ごす時間や祖父母と交流する時間が少なく、心の成長に大切なことに費やす時間がないことで、教育にマイナスだと考えられている。週末を家族で過ごし、料理を手伝ったりして過ごす時間が必要だとのこと。

日本の子どもたちはどうなのだろうか。スペインほどの宿題の量はないにしても、ほとんどの子どもたちは放課後に何かしらの習い事をしているのが一般的だ。週に1日から2日何かピアノやスイミングなどを習っている子どももいれば、ピアノ、バレエ、体操、そろばん、英会話に塾通いとほぼ毎日が予定で埋まっていることもや多い。1日英会話の後にそろばん塾に行くなどの掛け持ちをするものもいる。

習い事など全くなく、毎日公園で泥だらけになって遊ぶ子どもも稀に見る。この違いが将来の職業や人格形成にどう影響するのだろうか。保護者が子どもに自分の夢を託し期待する度合いが強いほど忙しい子ども時代を過ごすことになる。ほどほどに自由な時間も重要ではないだろうか

Source: telegraphworldbulletin

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