親が宿題をしない子どもに手を焼くのは、万国共通のようだが、教育熱心は度が過ぎると暴力になりかねない。中国のとある学校の体育の時間のことであった。着替えをする6歳の男子生徒の身体にとんでもない傷跡がついていることを担任が見つけたのである。
激しい傷でも罪を問わなかった警察
担任教師はすぐさま警察に通報し 、証拠の写真を残すなどした。
男子生徒は、宿題をしないことを親にとがめられ、ワイヤーハンガーで叩かれたというのだ。
両親は警察に対し、男子生徒がいつも宿題をさぼるので教育のためにやったと説明し、担任教師に通報されたことに憤慨しているようすであった。
結局、両親は警察による警告をうけただけで、それ以上のおとがめはなかった。
写真は、両親がとがめられないということを知った担任教師がSNSに投稿したものである。
教師は、中国では親が子どもに過度な期待をすることで、子どもへのプレッシャーから虐待に及ぶことが日常的に起きているという事実を重く捉えている。
中国の懲役になった継母
中国では半年ほど前にも同様の事件が起きている。ある母親が、養子の9歳の男の子が宿題を拒んだために縄で体を叩いたと言う。
裁判の様子がメデイアに流れ、国際的なニュースとなった。裁判の中で継母は、「少年が宿題を拒み嘘をついた。自分は悪い母親ではない。ただ息子が嘘をつくのを許せなかった」と語った。
継母は、判決により6カ月の懲役となった。この事件は、中国において子どもを虐待して犯罪と言い渡された初めてのケースである。
継母が刑務所に入っている間に、少年は実の両親のものとに戻ることとなった。少年の生まれた実家は、中国の安徽省の山奥にある。教育のために南京に住む叔母の家に養子に出されたという。
勉強をするようにプレッシャーを子どもにかけることと親としての子どもの教育に向かう熱意は、度が過ぎると暴力となってとんでもない結果をもたらす。
日本ではもっと悲惨な事件が
日本でも同じようなことが起きている。息子に対する過度な期待により、子どもを刺してしまったという名古屋で起きた事件だ。トラック運転手の父親は、自らが通っていた進学校に入れたいと願い、受験勉強をしない息子に手をかけてしまった。
父親は、両親の後を継いで薬剤師になることを目指していたが、結局トラック運転手となった。息子に夢を託したかったのだろう。過度な期待は、子どもにプレッシャーを与えるだけでなく、自らの人生も台無しにしてしまう。このような結果に結びつく親のエゴによる事件は、世界中で起きているということだ。
Source: heartti、independent、j-cast