東日本被災地で母と子を温かく支援し続ける団体「マザーリンク」

東日本大震災から5年、この春新たに小学校へ入学した子どもたちがたくさんいる。5年前の震災の年、入学式は通常より少し遅れて5月に行われたのを覚えているだろうか。そして、その裏には支援者の大変な努力があったことをご存知だろうか。

シングルマザーが始めた支援の輪

子どもの洋服や参列のための親のスーツを用意したのは、「マザーリンク・ジャパン」という支援団体であった。特定非営利活動法人(NPO法人)で、震災後に始まった支援団体である。代表者は、寝占理絵さんというご自身のシングルマザーとしての子育て経験から、シングルマザーを支援したいという思いで始まったという。

震災直後の4月、マザーリンクは、入学式のための洋服の寄付を呼びかけた。地元の教育委員会と連携し、入学する子どもの人数や支援を希望する数・サイズなどの情報を得ながら子どもだけでなく保護者も含む希望する全員に配布した。支援の呼びかけに集まった洋服は1,000着を超えた。届いたダンボールは350個、そこから選り分けをしサイズにあった洋服や靴などの小物まで揃えたという。入学式の様子はテレビのニュースで大きく報じられ、希望に満ち溢れた子どもたちの笑顔がそこにあった。

いまも励まし続ける支援活動

メデイアでは現地の生活が紹介されることは以前に比べて少なくなっている。多くの復興に向けた支援があるものの、未だ仮設住宅に住みギリギリの生活を営む家族が多いのが現状である。特に母子家庭では思うような仕事や収入が得られず、3食まともに食べられない家庭や子どもの学校の制服を購入するのに金融会社から借金をして購入するケースもあるという。

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マザーリンクが母親の自立支援として特に力を入れているのは、パソコンの教育プログラムである。パソコンができるかどうかで収入に大きな開きがあることがわかったからだ。

パソコンの教育支援には多額の費用がかかるという。パソコンの提供や講師としての支援ができる方のボランティア協力が集まることを祈りたい。

子どもにも目を向けるマザーリンク

マザーリンクの支援は、シングルマザーだけではない。震災のショックから一度も学校に行っていない子どもがたくさんいるという。PTSDにより5年という大切な学びの年月を失っているのだ。このような子どもたちを救うためのフリースクールを作るプロジェクト『僕らの学校を創ろう!プロジェクト』は、寄付を募っている。集まった募金は、今日現在約2,000人の寄付で目標の6割を超えたところだ。もう少しのようだが、子どもの成長は待ってくれない。

熊本の震災もあり、支援の必要な人々は東日本だけではない。しかしながらマスコミの露出が減ることが問題解決へのサインではない。今年の5月のゴールデンウイーク中の旅行客数は、海外旅行も国内旅行も過去最高であった。みんなでもう一度、5年前の3月を思い出してみよう。あれから時計が止まってしまっている子どもたちが大勢いるのだ。

Source:motherlink-japanasahi

 

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