EV自動車の市場拡大の裏に悲惨なコンゴの子ども奴隷労働

電気自動車やスマホや充電池に使われているリチウム電池の材料がコバルトである。日本では、コバルトブルーといえば想像がつくかもしれないが、銀や青い色の鉱物で岩の中から採掘される。世界の供給量の半分以上がコンゴ民主共和国で算出されている。

奴隷労働を強いられているコンゴの子どもの実態について調べてみた。

コバルトとは

コバルトは、鉱山から採掘される。素手で触ってはいけない有害なものだ。それをコンゴでは、子どもが素手で採掘している。確かに、乾電池を処分するときには有害物質が含まれるために、しっかり分別するのが我々の日常である。

コンゴ共和国で採掘される量

世界のコバルトの75%がコンゴ共和国で採掘されており、電気自動車産業が拡大している今、十分ではない。脱炭素化をねらったEV自動車が子どもの奴隷労働を生み出している。鉱山で働く4~5割は子どもだ。

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EV自動車が生む弊害

ウオールストリートジャーナルによると、2022年に販売されたEV自動車は780万台。ブルームバーグNFR〈ニューエナジーファイナンス)の経済移行シナリオによると、2040年までに6600万台まで増える見込みだ。

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リチウムイオン電池

EV自動車だけが問題ではない。スマートフォン、タブレット、電動スクーターもだ。知らず知らずのうちに多くの人は加担していることになる。

現代の奴隷労働者について20年研究しているハーバードの学者で執筆者のSiddharth Kara氏が本の中で述べている衝撃的な内容がある。「人類の歴史の中で、これほど多くの苦しみがこれほど多くの利益を生み出し、世界中の何十億もの人々の生活に直接結びついたことはない。」

危険な採掘場

コバルト採掘の3分の2は、大型機械で行うというが、実際には、浅い場所での作業は子どもが素手でコバルトの破片を拾っているという。コバルトを触ったり吸い込むと呼吸器疾患や痛みを伴う皮膚疾患を持つようになり、体内にからは放射性ウランが検出されるという。トンネル内で作業している子どもは生き埋めになることもある。

人権擁護への動き

2020年以降、ようやくユニセフや国際人権団体がコンゴの子どもの労働実態について取り上げ始め、企業が参加する児童労働を防ぐための支援が始まった。テスラ自動車やトヨタ、アマゾンなどが参加している。Kara氏の調査によると、児童労働を強いている現場は、一般の人が立ち入れないよう厳重に閉ざされているとの話もある。一日の労働で1ドルとも2ドルともいわれている。

鉱山労働者の多くは、ビニールシートで覆った小屋に住んでおり、そのほとんどはカメラ付き携帯電話をみたことがない。「コバルトの採掘は完成された奴隷農場だ」とKara氏は述べている。

Source: npr, ILO,humantraffickingsearch

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