アメリカの全国児童健康調査(NSCH)2020年~2021年のデータによると、国内の黒人の子どもは、子ども成長に重要な施設が十分整っていない環境に生活している傾向があることが明らかになった。対象となる施設は、歩道や遊歩道、公園や遊び場ほかレクリエーション施設、図書館、移動図書館など。黒人の多くの子どもたちは、施設から遠く離れた地域に住んでいるため、簡単にアクセスできない。
グラフは、施設がどの程度整っているかを示すものである。多くの黒人は施設が乏しい南部に住んでいる。
2番目のグラフは、施設数を示すものである。半数の黒人家族は、4か所以下のエリアに住んでおり、3か所以下に住む割合は65%にのぼる。施設数が少ないということは、低所得であることを意味する。
施設が充実しているということは、子どもや青年の成長にとって社会的、感情的、身体的な幸福、そして学業の成績に影響を及ぼすというのは明文化されている。
歩道へのアクセスは、身体活動の割合が高くなり、子どもの肥満のリスクが低くなる。学校の通学もより安全になる。公園や遊び場は、健康を増進する行動の割合が高くなり、青少年の精神的健康の増進に関連する。
YMCA/YWCA やボーイズ アンド ガールズ クラブなどのコミュニティ レクリエーションセンターやコミュニティベースの組織は、子どもや若者向けに安全に管理された学校外時間プログラムを提供する。公共図書館は、本、ビデオ、ゲーム、および子どもと家族向けのさまざまな識字プログラムを提供する。
また、コミュニティ の中心としても機能し、子どもと大人を必要なリソースやサービスおよび情報で結び付ける。そして、図書館の利用は学生の読書能力を上げることにもつながる。
このように施設があることがポジティブな結果に結びつくにもかかわらず、分析によると、2020 年から 2021 年にかけて、黒人の子ども (17 歳までの出生児) の 60% 以上が、これら 4 つの設備がすべて整った地域に住んでいないことが明らかになった。この 60 パーセントのうち、約 8 パーセントは何もない地域に住んでいる。
近隣の施設と子どもの幸福の指標との関連性を考えると、これらの施設の意味やレクリエーションセンターや図書館などが提供するプログラムはが、性別を問わず黒人の子どもにどのように影響するかを調べ、さらなる研究が必要だ。
このような研究は、子どもたちの幸福を幅広く見るものであり、健康的で持続可能で公平なコミュニティを作るための取り組みを強化するものである。
Source: Child Trends