ミャンマーの孤児院が今、ビジネスに利用されているという。旅行のツアーの中に孤児院を訪ねるコースがあるというのだ。恵まれない子どもたちに何かしてあげたいと思う旅行客や退職してお金に余裕のある人たちが続々と孤児院めぐりをしている。
ほとんどが偽装の孤児
ミャンマーでは、ツーリストがお金をばら撒くのを狙って、孤児ではない貧困の家庭の子どもや片親の子どもが孤児院に預けられるケースが多発している。
食事や衣服、本など、家にいるよりましな生活ができるからだ。
ビジネスとして経営するものは、貧しい家庭から勧誘して連れてきて、孤児に見せかけて旅行客からお金を引き出す。
孤児院にいる子どもの中で本当の孤児は27%程度しかいないという。罪のない子どもたちが親と離されて、ビジネスに利用されるのだ。
同様のことは、すでに カンボジアやインドネシアで行われているという。それが今ミャンマーで起きているのである。
旅行客の寄付は全て経営者のふところに入るというひどい実情だ。新しく韓国人がビジネスとして孤児院を設立した施設もあるという。
旅行客は、そんなことだとは知らず、子どもたちを動物園に連れて行ったりするのだという。

増加する孤児の数
ユニセフのミャンマー支部のチーフによると、ミャンマーではこの10年あまりで孤児の数が激増した。
ミャンマーで届けの出ている孤児の数は17,322人、この10年で75%増加したのだが本当の孤児はその内の27%しかいない。
子どもにとって粗悪な環境
ミャンマーでは、もともと貧困家庭の子どもたちの為の公共の施設があり、トレーニングセンターと呼ばれている。
孤児院の生活では、暴力が横行し、幼い時代の衝撃により精神障害になることが多く、大人になっても社会に適合させるのが困難な人が多いという。
孤児院で生活することは、子どもにとって良い環境とは言えない。孤児院で生活する子どものIQは、家族と生活する子どもより低いということだ。

寄付は子どもには届かない
ツアー客の寄付するお金は、経営者が独り占めする。
子どもたちはわざとボロボロの服を着て貧しいように見せようとす
オーストラリアからカンボジアにボランティアで訪れた女性は、
その女性は、子どもたちが孤児ではないことに気づいた。
日本でも海外支援という名の下に、ストリートチルドレンなどの現地見学のツアーとなるものが存在する。
現地のストリートにいる子どもたちをグループになった大人たちが囲んでいる写真があった。胸が痛むことである。
子どもたちは、たまたま貧しい境遇に生まれただけで、見せ物ではない。
Source: gurdians、travelwires、mtimes