カナダ、トロントでは保育園不足が深刻。生まれる前から申し込まないと入園できない。それでもなおウェイテイングリストになっている子どもたちが大勢いるという。親は職場に復職できず途方に暮れる。どこかで聞いたフレーズだ。まさに現在の日本と同じなのである。
3歳半の女の子のケース
イビーちゃんの両親が保育園に申し込んだのは、母親が妊娠を知って間もないころ、性別もわからないうちだった。
はじめて超音波検査をした直後で、3ヶ月の胎児だった。ようやく今空きが出たという連絡がきたが、入園できるのは1年半後である。
イビーちゃんの母親は、妊娠が判明したときに医師はウェイテイングリストに載せるようにアドバイスしなきゃいけないし、実際には妊娠検査のステイックに赤いラインが付いたのを見たらすぐさま申し込んだほうがいいと語っている。
イビーちゃんの両親は、3カ所に申し込んだが、他の保護者はもっと多くの施設に申し込んでいるという。
イビーちゃんの母親は、保育園が空きが出ると言われた3カ月前に職場復帰しなければならない。
申し込んだ3カ所にイビーちゃんを連れて、どうにかもっと早く入園できないか掛け合ったが、答えは3カ所とも「No」であった。
夫婦は、両親や親戚など近くに住んでいるものもいないし、車もない。共働きなので仕事に復帰したいと伝え、なんとかならないかとねばった。
ようやく1ヵ所で受け入れてくれることになった。自分達はラッキーだったという。
3歳の男の子のケース
母親のミーガンは、グレイソンくんが生まれたときに保育園に申し込んだ。もちろんウェイティングリストだ。あれから3年。待っている子どもの状況はさらに悪化し、不思議なことに申し込んだときの順番は300番だったが、いまは600番台になってしまったということだ。
おそらくエリア外に住んでいるから優先されないのではと語る。
ほかに申し込んでいる認可保育園では、ウェイテイングリストの何番めになっているのかを問い合わせて、返事をもらうまで何ヵ月もかかったということもある。
グレイソンくんは、現在週に3日ほど民間の家庭でやっている保育室に通っている。
1日65ドルから80ドル(約6500円から8000円)という料金だ。カナダも、日本と同じように認可保育園の費用は、収入によって違うのだが、その最高額が1日20ドルのため、約3倍になる。
バンクーバーの社会政策局の局長は、保育園の不足が深刻だと認めている。
バンクーバーのNPO法人が運営している14の施設での待機児童は32,000人いると語った。
バンクーバーでは、2014年に保育園の受け入れ枠を殖やすために2018年までに1000ヵ所の保育園を新設すると宣言。現在までに700ヵ所をすでに開園している。
しかし、未だ足りず待機児童は解消されていない。
本当の待機児童数
オンタリオ州では、つい先月、今後5年間に10万人の受け入れ枠を拡げると宣言した。そして、ウェイテイングリストに申し込む費用はこの9月から無料になったのである。
これまでは1ヵ所10ドルから200ドルかかっていた。
現在のオンタリオ州内の待機児童数は、17,600人いるということなので、まだ足りてはいない。
イビーちゃんに弟が生まれたとき
リアムくんが産まれた。カナダでも日本と同じく、産休中は子どもは保育園には入れない。イビーちゃんが保育園を離れるときに保育園では、2人で一緒に入れると言っていたが、実際にはそうではなかった。
産休明けにまだ預けることができずに無休で会社を2ヵ月休むことを余儀なくされた。その後、ようやく2人に空きがでたが、バラバラの施設だったために、朝の送りもお迎えも2ヵ所にいかなければならなかった。
ウェイテイングリストの名前
イビーちゃんとリアムくんの母親は、保育園側が空きがでると予測したにも関わらず、実際には1人分の空きしかなかった。保育園側が正確な人数を把握できない理由は、ウェイテイングリストの名前の信憑性に疑いがあり、仮の名前で同じ人物が重複して申し込んでいる事も疑われるということである。
Source. glovalnews