アメリカの保育園不足は深刻な状況となっている。マリアンヌさんが保育園に申し込んだのは、妊娠4ヵ月の時。息子サイモンくんはすでに10ヵ月。アシュビルの若い夫婦にとって、保育園不足は深刻で危機的状況である。
保育園の空きはわずか1%
アシュビルの子どもの受け入れ枠は7981人。空きはわずか1%という。多くの乳幼児を抱える親たちは、州の認可保育園の空きが出るまで通常1年半から2年待ちだ。アシュビルのYWCAの保育園では、乳幼児の定員20人に対し95の家族が空きを待っている状態だ。
行政の補助金もカット
この状態に追いうちをかけるように昨年、これまであった低所得者への州の補助金がなくなり、
大学よりも高い保育料
今、
乳幼児の保育料にかかる費用は、
受け入れ枠はなかなか増えない
インドから移住した夫婦
こんなことだとは知らずにインドから移住した夫婦は、5歳の子どもと産まれたばかりの乳児の二人の子どもを持ち、会社が住まいまで用意してくれ、アメリカンドリームを夢見て来た。
ところが、子どもを預けるところがないということがわかり愕然としたという。いくつもの保育所へ電話をかけまくったが、結局見つからず、個人のベビーシッターを雇った。ベビーシッターが体調を壊し急遽休みになったり、車が故障して来れないなど信頼できない。時間単位で支払って預ける託児所に預けるなどしながら仕事を続けたというが、費用も莫大にかかりアメリカンドリームは、早々に打ち砕かれたということである。
仕事を続けるために苦労する夫婦たち
仕事を続けるために子どもを預ける高額な費用など捻出できない夫婦は、昼間と夜を交代で働くことでどちらかが子どもの面倒を見るという。ほとんど家族の寛ぐような時間はない。産休の期間を延長して保育園の空きを待つ母親も多く、キャリアを捨ててしまうことになるケースもあるという。
日本だけでなかった保育園不足
アメリカがこんなことになっているというのは驚きである。アメリカでは女性が社会で活躍するのは一般的なことであり、日本は女性の社会進出が遅れていたことで、日本の保育園不足の問題が今になって発生しているのだろうと勝手に想像していたが、どうやらそういうことではなさそうだ。行政の資金不足や保育職員の低賃金による人材不足など、基本的な原因は日本と同じようなものだ。むしろより深刻だとも言えそうだ。
Source: citizen-times