オーストラリア、保育園の先生の給料が安すぎると悲鳴!

オーストラリアの保育園従事者が35%の昇給を求めて声をあげ始めた。給料が安すぎるために、家を買ったり結婚したり子どもを産み育てる事が困難だという。

男性の仕事より低い給与水準

労働組合が、公正労働委員会に申し出た内容は、現在、オーストラリア国内で働く保育スタッフは8万人存在するが、同レベルの仕事をする男性がもらう給与の約4分の3しかもらっておらず、3割上乗せするべきだというものだ。

保護者の負担になる

保育施設側によると、各保育職員の昇給のために保護者に対し一週間の保育料を308豪ドル(約24000円)の負担を強いることになると警告している。

報酬に見会わない過酷な労働

組合は、保育職員の給与が安すぎて家族を持つこともままならないと語っている。また、保育の仕事は肉体的にも精神的にも過酷で騒がしい環境にさらされているため、かなり高い確率で身体を壊す可能性もある。安月給で粗悪な労働環境は、経済的にも人間としても辛いことであるという内容を盛り込んだ改善要求を公正労働委員会に提出した。

有資格者が他業種へ転職

多くの保育従事者は、収入が低いため住宅などのローンを組むことも、結婚することも、旅行さえもできない。そのため、多くの有資格者は、より給料のいいストレスの少ない他業種へ転職していく。

保護者の過剰な期待も離職要因

子どもを預ける親は幼児期の発達段階における教育の重要性に気がつきはじめているため、保育サービスのや教育の質への期待がどんどんおおきくなっている。

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保育従事者の給与額実態

保育職員の給与は、資格のレベルにより差があるが、第3種の有資格では時給20豪ドル(約1,500円)で年収は40,000ドル(約310万円)。最低賃金は若干越えるか平均年収のちょうど半分だ。学卒者の場合46,000豪ドル(約390万円)となっている。

待遇改善の難しさ

オーストラリアの保育協会の会長であるグイン ブリッジ氏は、保育職員の待遇改善には保護者の負担増額が必至となっており、女性が仕事を続けるために重い負担が強いられるということだ。保育協会は、保育従事者の求められる高い保育技術や責任、学歴に見合うような給与が払われるべきだが、保育の仕事が軽視されるのは、もともと保育が自宅で無給で行われていたためにそれなりの職種と見られていると語っている。

 

まさに今、日本で起きている保育士の低賃金問題や保育士不足の問題と同じ状況である。保育士の待遇改善には2つの方法しかない。国が負担するか保護者が負担するかだ。国が負担となると結局は税金が上がることになる。保護者が仕事を保持するためには、若干の保育料の増額は我慢ということの最終結論になるのだろうか。そうなると、経済的打撃を受けるのは、ひとり親世帯ということになり、貧困格差がさらに大きくなり食事もまともに与えられない子どもたちが増える可能性もある。やはり、そうなると国が負担し、税金で国民全体でカバーする方が得策ということだろうか。

Source. ncbi

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