イタリア・ミラノ 美しすぎるレッジョ・エミリアの保育施設

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レッジョ・エミリア教育の施設から学べること

イタリア発祥の教育法のひとつであるレッジョ・エミリア。日本ではアートのイメージだけが独り歩きしているような気がする。子どもに絵の具の筆も持たせ、大きなキャンバスに絵を描かせることで芸術的な感性を養うことがレッジョ・エミリアアプローチではない。

施設環境と密接な関係があるものであるため、本場イタリア・ミラノの施設をお見せしながら解説したい。いろいろな教育法があるが、教育のゴールはほぼ同じ方向を向いていると考えられる。レッジョ・エミリアアプローチが、アートを使うだけの教育法でなく深い意味のあるものであることが理解いただけると思う。

ミラノのレッジョ・エミリアのスクールの全景

保育室の配置は中庭に面し、外部の自然につながる。室内にも植物が配置され、保育室の解放的な大きな窓からは、いつでも子どもたちが中庭に出ることができる。中庭は子どもたち同士のふれあいのコミュニティの場と考えられている。

ままごと遊びのキッチンや絵本や活動のコーナーは、中庭からもすべて見渡せる配置になっている。子どもたちの作品や子どもたち同士が話し合った履歴などが見えるように掲示されている。

photo by indesignlive

レッジョ・エミリアの保育室

保育室もオープンだ。子どもたちの作品や活動の様子が見える配置で、各保育室には活動用のテーブルのアトリエがあり、大きなグループや小さなグループで活動ができるようになっている。

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子どもたちの活動

この施設での子どもたちの活動事例を紹介する。例えば植物は種から成長することを自然の中から学ぶ。実際に種をまき植物が成長する様子を観察する。ここまでは、日本の保育園や幼稚園でもやっていることとあまり変わらない。ここでは、体験も含めた知識との連続性と思考、探求、グループでの活動、創造性へと発展していくところが特別に思える。子どもたちは実物の植物を目の前にしながらの絵本を手にする。先生は、植物の成長について説明するがその説明と実物の植物の成長を同時に体験する。先生の説明は、大きなプロジェクターで拡大した植物を見せるなど植物が水などの栄養を得て大きくなるメカニズムまで目で見えるような体験をする。

子どもたちは、植物の成長のメカニズムや葉や枝の組織や構造を目や手で触れて体験する。目で見、手で触る経験は、物事に興味を持つことや疑問を持つことなどの思考の基本に訴えかける。

また、活動はグループ単位でも行いお互いに意見を出し合いながら進めていく。そして子どもたちは、成長した実物の植物や絵本を片手にキャンバスに絵を描く。植物の葉にはいろいろな色があり、水や栄養を吸う枝がどのような構造をしているのか、体験を通して体に染みついている状態での作品作りとなる。

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レッジョ・エミリアの本質の理解

子どもの小さな手に筆を持たせ、そこに植物があるから模写のように描くのがレッジョ・エミリア教育法ではない。

WIKIPEDIAでは、イタリアのレッジョ・エミリアアプローチがアメリカでも認められ、優れた教育法のひとつとして受け入れられて行った経緯が詳細に記されている。しかしながら、アートや絵を描くことが教育法という解釈ではない。日本でも、レッジョ・エミリアアプローチを正しく理解し、未来を担う子どもたちのためにうまく取り入れて行ってほしいと願う。

Source: indesignlive, WIKIPEDIA,abics.it,nidoscuola

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