「ねえねえ、なんでスカートはいてんの?」
「だってわたし女の子だから」
これは、小学2年生のKai、この前まで男の子だった女の子と年下の生徒の学校での会話です。
ハワイ在住の少女Kaiは、男の子に生まれた。しかし、2歳のころから遊ぶオモチャはすべて女の子用。
洋服もプリンセスのドレスを着て過ごした。
性同一性障害に悩んできたKaiは、小学二年生で女の子にトランスジェンダーすることを決意した。
トランスジェンダー対策はまだない事実
母親のウエンデイは、学校側がトランスジェンダーを受け入れる体制ができていないことに改めて気づいたという。
Kaiが最初に直面した問題は、トイレであった。女子トイレを使うことがゆるされなかった。
しかも、学校側は女子制服のスカートをはいて通うKaiにズボンを着用するよう強制し、トランスジェンダーという言葉を使うことさえも控えるように言ってきたという。
母親は保護者に手紙を書いてKaiのことを理解してもらおうと考えた。しかしながら、Kaiのことがニュースに取り上げられているために学校が特定されることを恐れ、手紙を出すことは許されなかった。
勇敢なKaiの行動
Kaiが初めて女の子として通学した日。学校の入り口まで一緒に行った母は心配でならなかったが、Kaiは堂々と学校に入って行った。
最初に向かったたところは、スクールカウンセラー。トランスジェンダーというものを理解してもらおうとKaiは自らのことを説明しに行った。
次にクラスメイト全員の前で自らのことを説明した。
Kaiがクラスメイトへ語った内容
「私は性同一性障がい。どういうことかというと多分間違った体で生まれてきたの。いつも私は女の子だと感じるし、女の子の服を着たいと思う。それだけじゃなくて、みんなに女の子だと思われたいの。みんなはこのことがどんなに大変なことかわからないかもしれないけど、毎日格闘しているっていうことを知って欲しいの。みんなにお願いしたいわ。どうか私のことを女の子だと思って。そして私の気持ちをわかって欲しい。」
Kaiは自分で書いた手紙をクラスメイトの前で読み上げたのです。
その後、Kaiにスカートをはいていることを質問した生徒はたったひとりだったそうです。
Kaiの強さに心をうたれるはなしです。Kaiは、ちいさなころから性同一性障害であることで、いじめをうけたこともあったと言います。
隠してこらえて生きるのではなく、堂堂とオープンに正直に生きることで乗り越えようとする生き方です。
7年経った今でも超えられてはいない
Kaiが外見も少女として生きることを決意したのは7年前。今でも日々心と体の不一致に戦う日々だということですが、母親のウエンディは、自分たちが経験した多くのことを周りのみんなに共有することで同じような悩みを抱えている人々の助けになりたいと語りました。