アメリカの調査によると、コロナ禍のパンデミック下に生まれた子どものIQは、その前に出生した子どもに比べて低いという
子どもの出生後の数年は、知力発達の点で非常に重要だという。コロナ禍における親の仕事の停滞と子育て環境の悪化いわゆる保育、教育施設、子どもの遊び場の閉鎖など。多くの親は、ストレスや不安を抱え、仕事と子育ての両立をうまくこなせない辛い時期を経験してきた。
このような社会的背景のもと、子どものIQが低下したことが明らかになった。米国ロードアイランド州のブラウン大学で小児研究に携わるショーン・デオミ教授は、子どもが外部とのかかわりを得る機会が減り、刺激がなくなったことが知力の低下の原因だと唱える。
どれくらいIQが低下したのか
テストが示すIQの数値は、パンデミック前は100前後であったのに対し、パンデミック後の子どもの数値は78しかなかった。
調査はロードアイランド州という人口110万人弱の町の生後3か月から満3歳。2019年1月以降に出生した合計672人の子どもたちを対象に行われた。
貧困地域におけるさらなるIQ低下の可能性
ロンドン大学(UCL)のテレンス・ステファン教授は、これまで学齢期の子どもへの影響については多くのことが書かれているが、幼児期についてはあまり明らかにされていないので、この調査は興味深い。今回の調査対象となった地域は、経済的及び社会的な環境はそれほど悪くないし、調査対象の家族はすべて白人であった。もっと経済的に困窮し、失業、疾病などの多くの問題を抱えるほかの地域では、さらなるIQ低下の可能性があるのではないかと推察している。
SOURSE: Guardian