BULLY いじめ 虐 待

『いじめ保険』で注目される韓国のいじめ事情とその背景

約4年前にメディアで注目された韓国の『いじめ保険』。その後何か変わったことがあったのでしょうか。ヒントになりそうな情報をいくつかご紹介します。

いじめが全くない社会は存在しないのかもしれませんが、韓国のいじめについての情報量は、国の大きさから見ても他国を圧倒しています。『いじめ保険』で一躍注目された2012年以降に改善されたと思われる情報は残念ながら見当たりません。

『いじめ保険』は4年前に始まったわけではなかった

世界中のメディア各社がこぞって韓国で「いじめ保険」が始まるというニュースを取り上げたのは2012年2月。そのひと月前にソウルに本社を置くアジア経済新聞社(아시아경제)がいじめ保険をニュースで取り上げたことが発端だったのです。

1社だけがいじめ保険を初めてスタートするような取り上げ方をされていましたが、実はアジア経済新聞社の記事は、保険会社7社の保険を紹介したものでした。

改めて、どのような保険が韓国にあるのかその時の記事から5社
を紹介します。

三星火災(サムソン)

2011年9月に発売された保険「ママ好き子どもの保険」。凶悪犯罪や誘拐、暴力に巻き込まれた子どもを保証する保険で、保証内容は、凶悪犯罪見舞金、誘拐拉致見舞金、暴力慰労金など。三星火災によると、子どもの保険が売れる時期は新学期に集中し、保険に入る時期は胎児から2歳までが50%を超えるとのことです。

2011年の末に起こった大邱いじめ事件(いじめにより連続で学生が亡くなった事件)の後から、いじめ保険への問い合わせが殺到したとのこと。

東部火災(ドンブ)

2011年2月に発売開始した「スマート愛保険」。もともと韓国の環境疾患であるアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎・喘息・気管支炎などの入院日当を業界で初めて保証したものでしたが、暴行や強盗などによる被害に対しての補償も付いている保険。メディアで校内暴力が取り上げられた2011年暮れに顧客からの問い合わせが殺到し10万件の成約を記録したそうです。

LIG損保

2008年11月に始まった保険「LIG希望プラス子供の保険」。年間7万件以上の成約件数を誇るロングセラーの保険であり、子どもの出生から補償し、保証範囲が広大であることが特徴のようです。

出生時の先天性障害・思春期に起こる病気・小児がんなどの病いから社会問題となっている誘拐・拉致犯罪・校内暴力やいじめや暴力による精神や行動の障がいの治療まで補償するというもの。

LIG損害保険関係者の話しによると学校の暴力やいじめの報道や社会的波紋を背景に被害補償内容についての問い合わせが頻繁に入るとのことです。

メリッツ火災

「私たちの子供の成長保険Mキッズ」という初期の診察費から治療費を100歳まで保証するもの。アトピー性皮膚炎・中耳炎・副鼻腔炎などの入院時の補償があり、成長板を損傷するなどの成長に関連する病気や事故も保証するという業界初の保険。子どもの精神や行動の障がいの治療や学校暴力での治療も保証されるもの。

保険成約は、2011年1月の発売から12月まで4万6954件に上り、社会を反映し学校暴力の保険が人気であるとのこと。

現代海上(ヒュンダイ)

「ハイライフグッドエングト子供CI保険」という暴力被害保険。暴力による死亡や身体被害を補償。未成年者の性暴行犯罪被害も補償される。

現代海上によると、学校での暴力被害への問い合わせが増えている他に既存の加入者からの暴力被害への補償の問い合わせも増えているとのこと。

『いじめ保険』の成約状況

紹介されていた5社の保険内容や人気の状況からは、我が子を心配する親の保険への関心が高まってきていることは間違いないようです。あるメディアの情報によると、2001年以降いじめ保険への加入は毎年2倍に増加しているということです。

『いじめ撲滅』を訴えるようなプロモーションビデオ


これらはほんの一部ですが、このようなビデオが Youtubeに公開されているのですが、その理由が謎です。

北朝鮮からの移民への差別
表紙の写真は、北朝鮮からの移民に対する差別やいじめを撤廃するためのキャンペーンとのことですが、韓国では、北出身だというだけでいじめられるとのことです。そんなことが今でもあるのかと驚かされます。

いじめは大人の社会でも深刻な韓国
2011年の地元韓国の法律事務所が1,633人に行った調査によると、なんと60.6%が職場で一度以上性的虐待を経験したと答えたと言います。その他、妊婦に対する嫌がらせや、産休取得後にポジションがなくなって退職に追い込まれるなどの不当な扱いを受けるなど、会社でのいじめも深刻な状況だとのこと。

男女4,589人に対し同法律事務所が行った2015年の調査によると、その16.5%が職場でいじめや嫌がらせを受けたことがあると答えたとのこと。この数字は世界の平均が10%であることからその1.5倍になるのだそうです。

ナッツリターン事件に見るように、韓国ではいじめの職場文化があり、経済的に非常勤や契約社員が増えている社会背景や階級制度なども影響しているとみられています。

大人の社会でもいじめや嫌がらせが絶えない状況で、子ども社会でのいじめを撲滅することは容易ではなさそうです。

整形や化粧がひとつのいじめ対策

child make
韓国では、容姿が悪いといじめられるという風潮があるようです。実際に、経済不況の中就職先を見つけるための一次審査を通過するために整形を施す若者も多く、整形がひとつの文化となってきています。

化粧をしないといじめられるとして、今では小学生も化粧をするのが一般化しつつあるというのです。筆箱にBBクリーム・リップクリーム・アイライナーなどが入っているのは当たり前になってきているとのこと。化粧品売り場でも子どもの化粧のショーなどが開催され真っ白にお粉がふいたような顔の子どもたちが並んでいるそうです。

環境もひとつの要因なのか

韓国のある学生で、ニュージーランドにしばらく生活していた方のコラムがありました。その学生は、ニュージーランドの豊かな自然の中で幸せな日々を送りました。その後地元韓国に帰ると、周りの若者は容姿に異常なこだわりがあり整形をするのが当たり前だったり、陰湿ないじめの起こる社会である韓国に対しがっかりする様子が描かれていました。

『いじめ』がビジネスにならないために

保険・整形・化粧品これらのビジネスを促進しているかのような『いじめ』の存在。経済不況の中の皮肉な現実です。健全な経済社会を取り戻すにはだいぶ時間がかかりそうです。

SOURCE: business、asiaonehuffingtonpostkokusainews 、BBCNEWSm.asiae 、rfapressiannews.khan
✳文中の韓国の保険に関する名称や用語は、原文からオリジナルで翻訳したもので、商標名ではありません。

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